VI.手話通訳の特徴

これまで、通訳の「よさ」「上手さ」をキワードに同時通訳のメカニズムや通訳者が通訳中に用いているさまざまな技法に関する研究を紹介してきました。手話通訳に関する実証的な研究の少なさから音声同時通訳に関する研究成果も交えての紹介となりましたが、最後に少し音声同時通訳に比較した手話通訳の特徴について触れておきたいと思います。
まず、音声言語聞の通訳であっても、音声と手話の聞の通訳であっても、ある言語から他言語への同時通訳という形態を取る以上、その技法やメカニズムはかなり共通していると言えます。しかし、音声言語聞であっても言語の組み合わせによって困難さやさまざまな特徴が生じるのと同様、あるいはそれ以上に手話という言語の特徴が同時通訳に影響を与えているのも事実なようです。それには以下のような点があげられます。
まず、話し手と受け手の間で日本語を共有しており、さらに、手話のパリエションとして言語としての日本手話のほかに日本語に対応して手話単語を配列する日本語対応手話という変種が存在する点があります。日本語対応手話の単語は、日本語の単語とほぼ等価な意味を示すので、これを用いれば聞こえてくる語を即座に手話に変換していくことが可能ですし、日本手話には翻訳しきれない部分をまるごと原語のまま表示するなどの荒技が可能なのもこの特徴に起因するものでしょう。また、日本語対応手話という表現はあてはまらなし、かもしれませんが、基本的には日本手話を用いながらも、時折原語を借用しながら手話で訳出された内容と日本語を結び、っけながら訳出するなどの手法も、話し手と受け手の間で日本語を共有していることの効果と言えるでしょう。
また、目標言語である手話の決定的な特徴が空間モダリティを使用するいう点ですが、これが手話通訳に与える影響も無視できません。たとえば手話には空間モダリティを利用して動作や空間における位置関係等を厳密に表すことができるという特徴がありますが、このことはこれに関連した文章の訳出に大きな影響を与えます。たとえば話し手が物体の位置関係や動作について話をしている時、音声言語では説明にかなりの時間を要すのに対して、手話では数多くの要素を同時的に表示し短時間で効果的な訳出が可能です。逆にJohnson(1991)にも指摘されていますが、空間を厳密に定義する手話であるからこそ音声言語では不要な情報が手話への通訳の際に必要となり、通訳者の想像によって補わざるを得ないため、誤った訳出につながってしまうという危険性もZ弄んでいます。このことは、音声言語聞の通訳でも起点言語と目標言語の文法的な違いによって生じうる問題ですが、それが空間や動作に絡む側面に現れやすいというのは手話通訳の1つの特徴と言えるでしょう。さらに、通訳実践技術という側面にまで広げると、音声モダリティを使用しないという特徴が与える影響は大きく、発言の重なりや通訳者による手話と音声の同時使用が手法として存在する背景にも、手話と音声のモダリティの違いが関係していると言えるでしょう。

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