1.聴覚障害者の手話表現

筆者が、まだろう学校に勤務をしていたころのことです。2人の生徒が、私に話しかけてきました。「家は、どこですか?」と1人の生徒が手話を使って声を出しながら尋ねてきたので、私は「藤沢だよ」と神奈川県の南部に位置する市の名前を声に出しながら手話で答えました。すると、隣にいたもう1人の生徒が私に質問した生徒に対して声を出さずに手話と口の動きだけで「ほら!言ったでしょ」と表現し、質問をした生徒も声を出さず手話と口の動きだけで「おかしいな一、茅ヶ崎って聞いたけどな一?」と言いました。どうやらこの2人は、私がどこに住んでいるのかを話題にしていたようです。そしてお互いの情報が食い違ったので、本人に確かめてみようということになったのでしょう。確かに私は、茅ヶ崎という市に住んでいたことがあり、この生徒は私が転居したことを知らなかったようです。私の住所が茅ヶ崎であると思っていた生徒が、私の顔を見て再び声と手話を用いて「日|越したの?」と尋ねました。
このやりとりで興味深いことは、生徒が私のように聞こえる人と話をしているときは、声と手話を併用し、友達同士で話をするときは、声を出さずに手話と口の動きだけで会話をしたということです。このように聴覚障害者が会話の相手に応じて表現方法を変化させる現象は、わが国だけでなく海外にも同様の報告があります(LucasandValli,1990)。それによると、聴覚障害者は、手話表現に音声を併用したり、手話のみで表現したりするなど、状況に合わせて伝達手段を変化させていることが明らかにされています。また、声を伴うかどうかといった伝達手段の他にもさまざまな変化が見られるということがわかっています。では、音声を併用した手話と音声を併用しない手話では、具体的にどのような違いが見られるのでしょうか。また、なぜ聴覚障害者はこのように表現方法を使い分けるのでし
ょうか。本章では、まず、この2点について検討し、さらに聴覚障害者は、これらのさまざまな手話表現をどのように理解しているのかといった視点を最後に考察したいと思います。

おススメ会社設立セット

  1. 店舗販売最安レベル9,800円!会社設立印鑑3点セット(柘植)

    ※通信販売は行っておりません。
  2. 会社設立センター・起業家応援パック

    会社設立・起業家応援パック(司法書士+税理士)まとめて頼む=とってもお得な起業家応援パッ...
  3. 会社設立ブランディングセット

    せっかく開業した貴方の法人、告知やご案内は、終了していますか??「会社設立ブラン...